よこどりらぼ

行けるところまで、どうか。

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IOLITE -4-

K・礼猿前提の秋伏SS「IOLITE」。

全8章構成の第4章となります。


追記からどうぞ。

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伏見さんは何をしにここに来たのか。
俺は伏見さんが何をしにここに来たと思っているのか。
お互いの思考は間違いなく一致しているはずだった。
伏見さんがここに来る目的なんて、そもそも一つしかないということは始めから分かっていた。
割り切っているつもりだったのに、俺は割り切ったフリしか出来ていなかった。
俺は伏見さんに本心を悟られないようにするため、
いつもの笑顔を繕うだけだ。





伏見さんは行為中に名前を呼ばれることを嫌う。
そのことに俺が気付いていたことを彼は知らなかっただろう。
気付きながらも、俺は少し意地悪をしたくなってしまって、いつも必要以上に名前を呼ぶようにしている。
伏見さんは嫌そうな顔をするけれど、それには気付かないフリを装った。
だから、面と向かって「名前を呼ぶな」と言われて、俺は少し戸惑った。
「顔を見るな」とも言ってきたけれど、それは無理な話だった。
――好きな人のこんな姿を見ないなんて、どうかしてる。
でも、もしそれが『室長以外の人間に見られるのに抵抗を感じる』の意だとすれば。
(この関係の終わりも近いのかもしれない)
そう考えたら涙が出そうになって、はっとして堪えた。
伏見さんのことが好きだからこそ、伏見さん自身が限界を感じたのならすぐにやめるべきだと思った。
それならば、今俺がこの人に与えられる全てをと、俺は「伏見さん」とただひたすらに名前を呼んだ。

伏見さんが俺を見てくれなくても、俺が伏見さんと繋がっていたことを身に刻むために。
ただ、ひたすらに――。


「大丈夫ですか?」
まだ呼吸も整っていない伏見さんの髪の毛を撫でる。
伏見さんは俺の腕の中で「ん」とだけ言った。
「すみません、ちょっと無理させちゃいましたよね」
髪を撫でながら言うと、伏見さんは「いや」と小さく否定する。
事が済んだ後は、伏見さんはすぐに寝てしまう。
今日もまたそうらしく、もうすでに眠そうな顔をしていた。
「あきや、ま」
意識が飛びそうな声で俺を呼ぶ。
伏見さんの手が、俺のシャツを弱く引っ張っていた。
(本当に可愛いんだから…)
声に出して言ったら怒られそうなので口にはしないが、わりと普段からそう思っていた。
他の部下たちの前では全然弱い部分を見せないのに、自分の前ではこういうところをさらけ出してくれる。
少しは信頼されているのだろうか、と思えて無性に嬉しくなる瞬間でもあった。
「なんですか?伏見さん」
伏見さんを包み込むような体勢になって、背中を撫でる。
少しの間の後に「なんでもない」と、小さく聞こえた。

その後は数分も経たない内に寝息が聞こえてきたので、どうやら伏見さんは寝てしまったことが分かった。
寝ている伏見さんの髪をそっと撫でる。
柔らかくて、いい匂いがした。
「伏見さん」
起こさないように小さな声で名前を呼ぶ。
伏見さんは無防備に寝続けるだけで、何も言ってはこない。
(ずっとこうしていられたら、俺はそれだけで)
そこまで考えて、相変わらず自分の思考が浅はかなことに気付いて自嘲した。
「ねぇ、伏見さん」

貴方の心は今どこにあるんですか――。

言いそうになって、ギリギリで言葉を飲み込む。
当然、今の伏見さんがそれに答えることはないのだろうが。
仮にそれを聞いたとして、俺はどうするというのだろうか。
『室長』と言われたら引き下がれるのだろうか?万が一にも『秋山』だと言われたら、俺は――。

そして、その思考がまったく意味を持たないことを悟り、
俺は寝ている彼の額に、触れるだけのキスをした。





***********************************************意味を持たない思考回路。

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